2008年度[第50代](社)鳥取青年会議所理事長予定者 西垣 豪君

JCにおける履歴

2002年
  • 前期入会
  • 第二事業委員会 委員
2003年
  • 地域間交流推進委員会 委員
    鳥取ブロック(協)価値が輝く人づくり委員会 委員
2004年
  • 地域間交流委員会 副委員長
2005年
  • 総務委員会 委員長
2006年
  • 専務理事
2007年
  • 副理事長

青年会議所活動に対する所見書

はじめに

 大企業を中心に景気が回復し、大都市を中心に税収が回復し、日本の経済が再生したかのような報道をよく耳にします。しかし、多くの国民はそのことを実感していない現実があります。右肩上がりの経済成長期には、大都市も地方も経済的に支えられ、活力がありました。しかし、その後の長く深い景気停滞の中で、国民の多くは夢や希望を失ってしまいました。企業は生き残りをかけ、リストラを行い、多くの失業者も生まれました。景気には、波があり、どん底まで落ちれば、いつかは上がります。企業は現状の分析を行い、最大の努力をし続けるからです。しかし、経済成長期に軽視してきたものを再び置き去るようでは、真の日本の再生はありえません。本来は夢や希望に満ち溢れているはずの子供たちがなぜ凶悪な事件を起こすのか、これは決して子供たちだけの問題ではありません。平和な国だったはずが、平和を感じることができなくなっています。地方都市は、まだまだ景気も低迷しています。そして、私たちの活動エリアであるこの因幡も同様に低迷しています。地方の自立と再生、圧倒的県民の支持を得た片山県政では、さまざまな自立の取り組みがなされました。県民の自立意識は高まりました。それと同時に私たちは、鳥取県の置かれている現実の厳しさを知りました。バトンを受けた平井県政は「次世代改革」をテーマに掲げ、改革の果実を県民に還元するために、取り組みがスタートしています。
 2009年には、いよいよ鳥取自動車道(姫路鳥取線)が開通します。偉大なる(社)鳥取青年会議所の先輩方が汗を流し、必要性を訴えてきたことが実現するのです。 鳥取自動車道開通後の因幡、今まで以上にたくさんの人々がこの地域を訪れるでしょう。多くの県外企業も進出してきて、雇用の問題も改善するかもしれません。観光、経済等この地域にとって大いなる発展のチャンスになることは間違いありません。しかし、プラス面ばかりではありません。地元企業にとっては、今まで以上に県外企業との競争が激化するかもしれません。さまざまな変化がこの地域に訪れることになります。

JC活動について

 私たち(社)鳥取青年会議所は2004年に45周年を迎え、そのとき発表した「中長期運動ビジョン」を軸に今日も活動を続けてきています。来年度は50周年目前となるとても大切な年となります。偉大なる先輩方が築いてこられたこの(社)鳥取青年会議所は、その時々に何を思い、活動してきたのかを振り返りながら、そして私たちのこの地域においての役割を今一度しっかりと認識し、50周年に向かって行動していかなければなりません。私たちの先輩方は、鳥取自動車道の開通そのものを願ってきたわけではありません。地方分権時代に、因幡独自の特色を活かし、他地域と対等にまちづくりが行えるようインフラの整備を働きかけてくれたのです。ハード面では他地域にもう負けていません。私たちは地域間競争に取り残されない真の因幡のまちづくりを行わなければなりません。

JC活動について

 競争とはいったい何を意味するのでしょう。相手がいなければ競争は起こりません。お互いに相手の良さを理解し、さらに磨きをかけて競い合うことが競争だと考えています。地産地消とは何を意味するのでしょう。私は最初、小さな範囲でお互い助け合い、自給自足を行うことだと考えていました。しかし、今はそうではないと考えています。因幡の人たちが因幡の食物や特産品にとどまらず自然、歴史、文化などさまざまな魅力をまず知らなければなりません。それが初期の地産地消です。次の段階では、因幡の人たちは手を取り合って、因幡の魅力をもっと広く発信していく必要があります。因幡の人たちが他の地域の人たちに、さまざまな形で因幡の魅力を発信していくことが真の地産地消ではないでしょうか。さまざまな地域との競争を強く意識しなければなりません。しかし、地域間競争は、勝ち負けを強く意識するものではありません。ある地域とは、お互いの足らないものを補完しあえるかもしれません。ある地域とは、お互いが競い合い、それぞれにますます磨きがかかるかもしれません。いずれにしても、お互いは良きパートナーであり、共存できると考えています。他地域と競争し、共存できる地域になる必要を強く感じています。因幡には、さまざまなNPO法人などの団体があり、それぞれの専門分野で取り組みを行っています。また、行政もマニフェストを掲げ、より具体的な政策を進めています。(社)鳥取青年会議所においても、マニフェスト型社会の実現に向けて2007年度はより具体的な活動を行っています。マニフェスト型社会の到来によりますます行政と地域は密接になっていきます。私たちは、具体的なひとつの問題に特化して活動は行っていませんが、私たちの行う公益活動は、どれをとってもすばらしい目的があります。さまざまなテーマをさまざまな手法を用いて、多くの人々と共創して、明るい豊かなまちづくりを行っています。事業に参加していただいた方には、しっかりと目的を感じていただき、事業に協力していただいた方々には共に創ることでそれぞれが新しい気づきが得られ、まちづくりの輪は、想像していないくらい大きなものになる可能性を秘めています。NPOなどの他団体、行政、そして地域の人たちとしっかりと連携し、また、この連携は私たちから積極的に行うことにより、混沌とした時代に未知の可能性を切り開く私たちの使命は果たせるのではないでしょうか。私たちは、競争と共存の意識をしっかり持ちながら、連携のリーダーとなり、この因幡を確実に明るい豊かなまちにしていくことが真に求められているのです。

JC活動について

 因幡の明日を切り開くのは、私たち青年の使命です。そして、因幡の未来を背負うのは、子供たちです。子供たちは、いつの時代でも純粋です。夢や希望に満ち溢れています。ゆとり教育が始まり、そして、見直されています。学力の低下や犯罪の低年齢化など、大人は子供たちの問題を真剣に考えて、教育のあり方を考えています。国の教育制度がどう変わろうと、子供たちは、いつも純粋な心を持っています。どんなに時代が厳しくても、子供たちは地域の未来の夢であり希望であります。子供たちには、家族を愛し、仲間を思いやり、ふるさとに誇りを持ち、伸び伸びと成長していってほしいと強く思います。そして、そのことは、因幡の未来を切り開く私たち(社)鳥取青年会議所の責務であります。

JC活動について

 JCは単年度制です。一年ごとに役職がかわり、具体的なテーマも変わります。さまざまな役職を経験することで、個々の成長がはかれます。また、組織にとっても毎年新しい個性が組織を活性化させていきます。ただし、単年度で終わってはいけないものがあります。それぞれのメンバーがそれぞれの役割をしっかりと果たしたその一年を、確実に次年度へバトンを渡していくこと、またバドンを渡したメンバーは、私たち鳥取青年会議所の偉大なる先輩方がいつも暖かく現役メンバーを見守ってくれているように、新しい組織を、そして新しい個性を応援していかなければ意味がありません。もうすぐ50年です。継承なくして、進化はありえません。こんな厳しい時代だから、ますます私たちはしっかりと継承し、そして力強く進化し、この組織を未来へ継承していかなければなりません。

最後に

 今一度、自分自身の目でしっかりとこの因幡を見つめ直してください。今のこのまちに満足していますか。私たちにとって、ほんとうにこのまちは夢や希望に満ち溢れていますか。どんなに現実が厳しくても私たちが夢や希望をもたなければ、私たちが力強く切り開く勇気を持たなければ、そして行動していかなければ、このまちに明るい未来はありません。私たちが活動を行っているこの因幡は、私たちが愛する家族やそれぞれが所属する企業の社員も含まれているのです。もちろん、私たち自身も含まれているのです。
 無限の可能性を持つこの組織は、無限の可能性を持つ100名近い会員で構成されています。可能性だけで終わらせてはいけません。私たちには責任があります。皆様のすべての力を結集し、必ず、実現しましょう。
 因幡の明日を、子供たちの未来を、そして、活動を通して、私たちの夢を。

 2008年度、全力で理事長職に取り組む所存であります。どうぞよろしくお願い致します。

西垣 豪